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睡眠不足だと認知症になりやすいの? だから勤勉な日本人は認知症が多いって本当?

不夜脳/東島威史(サンマーク出版)

目次

物忘れは年のせい?

僕は昔から夜型の短眠族。まだ前職の銀行員だった頃の平均睡眠時間は4時間半くらいだったと記憶しています。そんな中で当時「3時間短眠法」という本を本屋で見つけてきたんです。「一日睡眠時間が3時間で済むんだったら、普通の人の倍くらい人生を過ごせるかもしれない…」そんな幻想の下、その本に書かれていた方法を実践して思ったことは、「あちこちに睡眠を分散させながら、眠さと戦うストレスを一生抱えて生きるのはとても効率的とは言えない」ということでした。ちなみに今の家内との出会いは、当時同僚だった彼女が僕を真似て3時間短眠法を実践したこと。「私もやってみたい!!」と本を借りてかえったものの、見事に寝不足でフラフラだったあの時の彼女の様子は今でも懐かしく思い返されます。

そしてだいぶ年齢を重ねた今、相変わらず夜ふかし癖は治らないものの、睡眠時間は6時間ほどまで増えてきました。とはいえ、しっかり睡眠をとらないと認知症になる、55歳以降の睡眠負債がアミロイドβを蓄積させる、という話を聞くにつけ、ドキドキしていたのですが、この本を読んで少し救われた感じがしています。脳は睡眠中も休んでいるわけではないし、アミロイドβは睡眠中ばかりに洗い流されるわけではないということらしい。問題なのは睡眠不足ではなくて、睡眠障害なのであって、日本人に認知症が多いのは短眠族だからではなくて、他の民族よりも長生きだからと説明されると妙に腹落ちしますよね。しかもアミロイドβは脳に貯まるゴミではなくて、神経の修復や炎症の抑制、ウィルス感染からの防衛などに一役買っている有用物質。ちゃんと役割があって、過剰や不足、すなわちバランスに問題がある…。悪玉コレステロール同様、あたかも悪いものであるかのように印象操作されているのは問題ありだと思いませんか。

身体は休まないと、つまり寝ないと回復できないわけですが、脳は眠らず常に刺激を求めている臓器なんだそうです。そして老廃物を除去することは起きたままでも十分可能であって、筋肉同様使えば鍛えられ、肥大化するが、使わなければ委縮していくんだとか…。

「年を取ったから記憶力が低下して…」なんて言い訳しながら、物忘れを正当化したりしているあなた…記憶する機能を使わないと、どんどん委縮するだけみたいですよ。

40Hzの刺激

そしてもう一つ。この本が提唱している「40Hzの刺激」の話。僕らは鍼治療の中で日常的にパルスという電気刺激を使うわけですが、その刺激量は経験的に1Hz前後、つまり1秒間に1回くらいの刺激量とするケースが多いように思います。少し前に筋肉の組成によって、つまり「赤筋」と「白筋」の割合によってその刺激量を変えるべきじゃないかという問題提起があっていろいろ試してはみたのですが、どのくらいが正しいかという理論・基準もないし、参考となる研究論文もないので、単に心拍程度が心地よいという、もともとの1Hzに収れんさせてしまっていました。まだ検証されているわけではなさそうとはいえ、「なんらかのポジティブな影響を与える印象を持っている」という著者の意見も踏まえ、積極的に治療の中で試してみたいと思います。

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