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実践したい、認知症を防ぐ最高の食べ方~認知症は予防できるし、改善もするって知ってますか

「認知症を防ぐ最高の食べ方/山根一彦」(株式会社KADOKAWA)

認知症の根本原因は「炎症」「毒素」「栄養不足」なんだそうです。アミロイドβを悪者にする論調が多いのですが、アミロイドβはただのゴミではありません。誰もがもっているタンパク質で有用な役割も果たしている…。ただ過剰に依存すると蓄積して脳神経細胞を死滅させる原因となる。どんなものでも過ぎたるは及ばざるが如しなんですよね。認知症は脳の糖尿病と言われているのがうなづけます。

そして高血糖状態は細い血管の血液の流れで炎症が起きやすく、さらに糖質が体内で終末糖化産物(AGEs)になることで体内の炎症を促進し、アミロイドβの分解も滞らせるんだそうです。だから炎症をできるだけ抑えるためには高血糖状態にしない食事が大切。

毒素にもいろいろありますが、もっとも影響を受けやすい毒素は食物由来のもの。また解毒能力は食事によって高められることもあるので、何を食べるかはとても重要なんだそうです。

3つ目の栄養不足はいうに及ばず、何をどうやって食べるかが大切です。脳は60%の脂質と40%のタンパク質で構成されているため、いかにその質を高めるかという視点も必要です。単に脂質やタンパク質をとるというのではなく、質のいい脂質とタンパク質にこだわるべきで、加えてビタミンやミネラルを補う必要があるんだといいます。

以下に本書が指摘する注意が必要な食材をあげておきます。

<なるべく避けたいNG食材>

 小麦製品、トランス脂肪酸(マーガリン、サラダ油など)、牛乳、揚げ物、加工肉(ハム、ソーセージなど)、マグロ、ひじき、甘い果物、酒類、人工甘味料、果糖ブドウ糖液糖

<毎日食べたい食材>

 水、ブロッコリー、ニラ、ニンニク、キノコ類、サンマ、牛豚鶏肉、貝、ベリー類、柑橘類、納豆、卵、緑茶、レモン果汁、焼き芋

とはいうものの、食べ物の話をあまりことさらに騒ぎ立てるのもあまり現実的ではありませんよね。最終的には自給自足ですべて自身で納得のいく食材を取りそろえないとならなくなってしまいます。正しい場所を知ったうえで、あまり偏らないように、そしてできるだけ品質にこだわったものを選ぶ努力をするべきではないでしょうか。

我が家では牛乳を飲む習慣はありませんが、冷蔵庫の牛乳は最近ではすっかりA2牛乳になりました。パンも小麦の質にこだわっていそうなパン屋さんで買うようになり、コンビニのパンからは遠ざかっています。是非スーパーなどに行った際に確認してみてください。地元横浜でいえば、高島町にある文化堂というスーパーはA2牛乳の取り扱いをしています。

鍼灸で認知症の予防や治療はないのか…。そんなツボはあるのか…。残念ながら、山根先生が本書の中でご指摘のように、認知症は「最終的には脳内に蓄積されたアミロイドβが脳神経細胞を死滅させる疾患であるとはいえ、その原因は全身性の炎症・毒素・栄養不足」であるわけで、それらを一気に改善させる体系的な治療や有効なツボがあるわけではありません。ただし、鍼灸治療のゴールが陰陽論に根差した全身のバランスであって、その治療法も体全体にめぐらされた経絡とその上に点在する経穴を用いて気血水の流れを調整することであり、だからこそ、自律神経の調整に向かいやすいことを考えると、認知症をはじめとした全身性に考えなければならない疾患にはむいているのではないかと考えます。

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